お嬢ちゃん

ちいさな頃、「誰か大人の人居る?」と聞かれるのが嫌だった。早く自分で対応できる大人になりたかった。臨時で働いていたときは、「正職の人居る?」と聞かれることが多かったから、早く臨時じゃない雇用形態で勤めたかった。正社員になった今、事務所で一人で居ると、来るお客さんから「秘書の人居る?」と度々聞かれる。どうやら私は「事務所のお嬢ちゃん」で、私に言っても話にならないと思われているらしい。事務所の中での位置はともかく、外に対して信頼度が高いのは、私よりも後から入った同い年の男の子の方のようだ。なぜなら彼は男だから。封建的なこの地方では、そういう理由が未だにまかり通っている。
私はいつになったら対等な「私」として対応してもらえるのだろう。